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2024.01.30 08:25

将棋好きは数学が得意!? 専門家「論理的思考磨く」【なるほど!こうち取材班 パートナー紙とともに】

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盤面に集中して将棋を指す斉藤玲さん

盤面に集中して将棋を指す斉藤玲さん

 「福島県算数・数学ジュニアオリンピックの点数上位者は、将棋をしている子が多いのでは」―。福島民報社「あなたとともに 福島特命取材班」に投稿が寄せられた。取材を進めると、2023年のオリンピックで銀メダル以上だった児童・生徒16人のうち7人が将棋大会に出たり、趣味で楽しんだりしていることが分かった。将棋は算数・数学の学力を伸ばすのか。相関関係を専門家に取材した。

 県教委は小学5年生から中学生までを対象に毎年10月、オリンピックを開催している。

 将棋を取り入れた数学の授業を実施している阪南大(大阪府)の浜道生教授(66)は、算数・数学が公式を基に問題を解き、将棋が定石や過去に指された手筋を参考に一手を選ぶ点で思考方法が似ていると指摘する。「正解や最善の一手を導き出そうとするプロセスで、論理的な考え方が磨かれるのではないか」と語る。

 約20年前からプロ棋士を大学に招き、数学力と将棋の実力が比例するかをテーマに研究している。長年の経験から、子どもが将棋を指すことで、記憶力▽何手も先を読む想像力▽筋道を立てて考える力―が高まるとしている。さらに算数・数学が得意な子どもが将棋を始めた場合、早期に上達する傾向があるという。

 浜教授は「将棋をやるほど学力が向上すると断言はできない。しかし子どもの習い事として将棋を勧めたい」と話している。

 23年に小学生の部で金メダルに輝いた相馬市の斉藤玲さん(12)=中村一小6年=は県内のアマチュア将棋大会の小中学生の部で優勝した経験がある。元々算数は得意だったが、将棋を指している成果か、授業や自宅での勉強に集中できるようになった。斉藤さんは「将棋も算数も両方好き。将来はプロ棋士になりたい」と目を輝かせた。(福島民報社)



 県民・読者とつくる調査報道企画、高知新聞「なるほど!こうち取材班」(なるこ取材班)。連携する全国のパートナー紙の記事や県内の状況を随時掲載で紹介します。

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