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2024.01.25 08:00

小社会 舞妓さんデビュー

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 年初からの心ふさぐ記事が続く中に舞妓(まいこ)さんデビューを伝えるものがあった。土佐清水市出身16歳の「雛帆(ひなほ)」さんは中学を出て1年足らずで、あの京都の祇園に身を置いて芸事に励み座敷に出ているという。ずいぶん前に高知市内で呉服店を営んでいるM君に京都の「お茶屋遊び」を案内してもらったことを思い出した。

 それほど気乗りして行ったわけではなかったけれども、茶屋で過ごした時間は今でも忘れがたい特別な経験だった。

 びっくりするようなことは何もない。素っ気なくも感じるような簡素に整った和室で簡単なつまみと酒が供された。非日常の装いによって年齢も判然としなくなった日本人形のような舞妓さんが現れ、静かな踊りが始まった。

 日本舞踊に素養もなく漠然と眺めているだけだが、時空を超えた夢心地の異空間に迷い込んだようだった。

 楽しかったなあ、というよりは、ああまたいつか行ってみたい。そんなしみじみとした感慨があった。こんなぜいたくを味わうためにも、もっと仕事に励もうと殊勝な気持ちも湧いた。

 「舞妓さんちのまかないさん」という漫画を原作としたドラマがある。青森出身の少女が舞妓になることを諦めて置き屋の調理人となる話だ。舞妓デビューがどれだけ大変か。なれなかった少女の視点から「お茶屋」の厳しい舞台裏も描かれていた。「芸事は全部楽しい」と言う雛帆さんの強さが頼もしい。

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