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2024.01.16 08:00

小社会 民主主義の優等生

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 国・地域別の「民主主義ランキング」なるものを毎年、英国の調査機関が出している。上位を北欧勢が占める中、アジアの最上位に居続けているのが台湾だ。「民主主義の優等生」とも呼ばれる。

 なぜ優等生なのか。一つは1990年代、一党支配体制から平和的に民主化したこと。そして、4年に1度の総統選は有権者の直接選挙とし、3回の政権交代も実現させた。権力に厳しい目を向けてきたわけだ。

 投票率も高い。総統選は本籍地でしか投票できず、期日前投票もないなど不便だが、70%を超える。一党支配の不条理を経験しているから、一票を大事にする。

 その台湾の民意は先の総統選で、中国と最も距離を置く与党の候補を選んだ。民主主義が根付くほどに、権威主義の大国と相いれなくなるのは自然な流れか。台湾海峡の緊張が続くのは悩ましいが、なんとか有事を防いでいくしかない。

 特徴的だったのは、第三勢力の急伸だ。既存の二大政党を嫌った若者らの支持を受け、5年前にできた新党の総統候補を4人に1人が支持した。勝った与党にくぎを刺す絶妙の民意になっており、「優等生」の面目躍如といったところだ。

 1度しくじった政権交代への抵抗感が消えない中、1強政治のおごりが生まれ、低支持率の政権が居座り、それでも国政選挙の投票率は5割前後にとどまる―。そんな国から見るから、海の向こうの民主主義がまぶしいのだろうか。

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