2023.12.31 08:00
小社会 大みそかに
妻は関東、夫は関西の出身。2人はこの時初めて知ったという。東日本でネギといえばもっぱら白ネギを指し、西日本では青ネギをいうと。夫婦で大いに驚き、笑い合ったそうだ。
小欄も若い頃、東京でかけそばを食べ、薬味が白ネギだったのに戸惑った記憶がある。それ以上につゆが黒いのが衝撃だったが。食パンの売り方も東西で違うらしい。東京では1斤6枚切りや8枚切りが多いが、大阪は5枚がメイン。
全国各地の地方紙関係者と以前、そんな東西比較で盛り上がった。捉え方がまるきり違う言葉も話題になった。「適当なことをする」。西では「いいかげんなことをする」意味になり敬遠されるが、東では逆に「ふさわしいことをする」と解釈される。
年末年始、県内にもたくさんの出身者が帰省してきた。コロナ禍で減っていた同窓会の開催も多いようだ。久々に会う家族や友人とのだんらん。それこそ各地の食や文化の紹介で盛り上がっているのではなかろうか。語るうちに、古里の食や文化を再発見できるよさもある。
大みそか。締めくくりの年越しそばはやはり、澄んだつゆに青ネギを盛る西方式だろう。ただし新年は目標に向け、東の「適当なこと」を心がけたいものだ。