2024年 05月16日(木)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.12.28 17:47

【東京ウオッチ】進化し融合する技、日本文化の粋見つめる―西陣織の老舗「細尾」東京店 いまのTokyoをつかむイベント情報(30日~1月7日)

SHARE

 京都の職人による工芸建築も見どころの「HOSOO TOKYO」=東京・八重洲(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント


 【30日(土)】


 ▽「HOSOO TOKYO」(中央区・東京ミッドタウン八重洲、通年営業、1月1日休み)


 1688年に京都で創業され1200年にわたる歴史を持つ西陣織の老舗「細尾」の東京店が、八重洲で展開されている。


 2010年に、独自の技術や素材を用いて、元々帯地である西陣の織り幅約30センチを世界の標準生地幅150センチで作ることに成功。海外のトップメゾンや一流ホテルなどのインテリアなどに使用され、モダンな“西陣の美”を世界的に広めた。


 東京初となる店舗は23年3月に開業。美術館のような外観と内観、商品の美しさにより、外国人観光客も訪れるスポットとして定着している。


 京都の職人が作り上げた、大理石やミラーを使用し白を基調とした店内は見どころの一つ。高さ約4メートルに及ぶ窓からの自然光が、ショーケースに並ぶ西陣織のポーチやバッグなどを際立たせる。約200種類の布地のコレクションが収められた、12メートルにわたるテキスタイルセラーは圧巻。6パターンの空間照明で見え方をシミュレーションでき、好みの布地でアートピースやプロダクトのオーダーも可能となる。


 社長の細尾真孝さんは、八重洲が江戸時代は職人の町だったことに触れ、「東京で西陣に触れる体験は伝統と現代の美しい融合であり、日本文化の深い理解への第一歩となるはずだ」とコメントした。



 ○そのほかのお薦めイベント


 【30日(土)】


 ▽「☆(糸ヘンに肅)と織―華麗なる日本染織の世界―」(~1月28日、根津美術館)


 日本の染織品に施された織りと刺しゅうに焦点を当て公開する展覧会が、南青山で開催されている。


 染織品に模様を施す技法は、数多く存在しているが、とりわけ古代中国で高度に発展した織りは日本では格式高いものとして受け入れられるようになった。刺しゅうも、飛鳥時代から仏の姿を表現する「☆(糸ヘンに肅)仏」が手がけられるなど、織りとともに重視されてきた。


 中世から近世にかけて染めの技法が発達。平面性の強い染めは、立体感を表現できる刺しゅうと相性が良いため、両方を組み合わせた小袖の優品が多く作られた。一方、武家の式学として隆盛した能装束には重厚な織りを多用した。


 本展では、400点以上に及ぶ根津美術館蔵の染織品から、奈良時代から大正時代に至る作品を紹介。能装束の中でも特に華やかなものが多いとされる「唐織」、また刺しゅうと鹿の子絞りがあしらわれた振り袖などを鑑賞できる。華麗かつ厳かな染織品の数々を、ぜひ新春に楽しみたい。


 ▽「北斎サムライ画伝」(~2月25日、墨田区・すみだ北斎美術館)


 江戸幕府が倒れるまで約700年にわたって日本の政権を握っていた「サムライ」。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎とその門人による作品を通して、侍の姿に触れられる展覧会が、墨田区で開かれている。


 戦乱の世に武力の担い手として活躍する姿から、江戸市中を歩く日常の様子まで、さまざまな角度でサムライを捉えた浮世絵を紹介。同館初公開となる「美人と弁慶の耳かき」、江戸時代に起こった事件を伝える「仮名手本忠臣蔵 十一段目」は必見だ。北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と、刃文が波状の濤瀾刃が特徴的な「刀 銘 津田越前守助広/延宝九年八月日」を並べて展示。共に波の動きを捉えて表現した作品で、刀と絵の迫力を見比べ楽しめるような工夫が施されている。


 学芸員の竹村誠さんは、江戸時代の侍は町人らを支配していたイメージだが、北斎の作品では酔っぱらった姿など人間的な描写が見られ身近に親しく付き合う存在であったことがうかがえると指摘。「現在の墨田区で北斎は生涯のほとんどを過ごした。その地にある当館で江戸の様子を感じてもらいたい」と話した。


 ▽「冬の風物詩 ふぐを味わう」(~2月29日〈予定〉、目黒区・ホテル雅叙園東京 日本料理「渡風亭」、事前予約制)


 冬の美味「ふぐ」を存分に味わえる会席料理が、目黒で提供されている。


 2500点もの日本画や美術工芸品に彩られたミュージアムホテルの園内にある日本料理「渡風亭」河豚会席。趣の異なる八つの個室からなるかやぶき屋根の日本家屋で、鉄刺、焼き白子や唐揚げ、鍋などのふぐの魅力を、熟練された料理人の技と共に存分に楽しめる。


 都心に広がるぜいたくな和空間で、季節の料理に触れてみたい。


 【4日(木)】


 ▽「現代の書 新春展」(~9日、中央区・セイコーハウス銀座ホール、セントラルミュージアム銀座、入場無料)


 23回目を迎える書道展が、銀座で開催される。


 本展は、第74回毎日書道展の最高賞・文部科学大臣賞受賞作家による「セイコーハウス銀座ホール展」と、同展から選抜された代表作家による「セントラル会場100人展」で構成。漢字、かな、近代詩文書、大字書、篆刻、刻字、前衛書の7部門の作家が織りなす現代書の多彩な世界を、新年に堪能したい。

(c)KYODONEWS

国内・国際 Nエンタメカルチャー

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月