2023.12.09 08:35
真っ赤なだるま 朝の双名島に 高知県中土佐町久礼
久礼沖の水平線からぽっこり顔を出しただるま朝日(中土佐町久礼)
だるまさん、おはよう―。中土佐町久礼の小鎌田の浜で8日、だるま朝日が見られた。優しい鬼の伝説が残る双名島のそばに、赤い顔がぽっこり。駆けつけたアマチュアカメラマンや町の人々は、夢中でシャッターを切っていた。
大気と海水面の温度差で光が屈折し、太陽がだるまの形に見える現象。東へ海が開けた久礼では11~3月ごろの寒い日、条件が合う朝に気まぐれに現れる。
その昔、荒い海から久礼の人々を守るために、二つの大岩を鬼が運んできてできたとの言い伝えが残る双名島。午前6時57分、その片方の島のそば、少しぼやけた水平線から頭のてっぺんがのぞいた。みるみる大きくなり、やがてくびれが現れた。
「だるま」の形が見えたのはわずか40秒ほど。香川県や高知市から通う人もいて「晴れ過ぎてもいかんきね」「今日はちょうどのかすみ具合で、えい赤じゃった」。ご機嫌なだるまの姿に大満足の様子だった。(蒲原明佳)