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2023.12.06 08:20

高知新聞連載「美しき座標 平民社を巡る人々」が「平和・協同ジャーナリスト基金賞」奨励賞に

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 平和や反核、人権擁護の分野で優れた報道をした個人・団体を対象にした「平和・協同ジャーナリスト基金賞」の第29回受賞者が5日発表され、天野弘幹(ひろき)・本紙学芸部長の連載「美しき座標 平民社を巡る人々」が奨励賞に選ばれた。16日に都内で贈呈式が行われる。

 「美しき座標」は、日露戦争反対を貫いた四万十市出身の幸徳秋水(1871~1911年)と、共に平民社を立ち上げた仲間たちの物語。 「自由、平等、博愛」の精神を伝えた師・中江兆民ら、秋水と深く関わった人々の人物像を、時にユーモアあふれるエピソードを交えながら読みやすい筆致でつづった。

 秋水が生まれて150年、39歳の生涯を閉じてから110年にあたる2021年に始まり、23年3月まで、特集を含む計7部194回を掲載。悲惨な戦争に突き進んだ近代日本の歴史の中で人間性を失わず、非戦の孤塁を守った平民社の人々の奮闘記は、読者から大きな反響を得た。選考委員会は「中江兆民、田中正造、福田英子らも出てきて、とても面白い」「自由民権運動から大正の終わり頃までの日本の状況が生き生きと描かれていて、この時代を理解するのに役立つ」と評した。

 同賞を主催する平和・協同ジャーナリスト基金(東京都荒川区)は、寄付で運営されている市民団体。ルポライターの鎌田慧さんらが代表委員を務めている。

 今年は76点の応募があり、大賞の基金賞に佐喜真美術館(沖縄県宜野湾市)制作のドキュメンタリー映画「丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図全14部」(河邑厚徳監督)、奨励賞に本紙連載を含む7点が選ばれた。(久保俊典)

5日発表された「第29回平和・協同ジャーナリスト基金賞」の受賞者は次の通り。
 【基金賞】
佐喜真美術館(沖縄県宜野湾市)制作のドキュメンタリー映画「丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部」〈河邑厚徳監督〉。

 【奨励賞】
▽高知新聞学芸部長・天野弘幹氏のシリーズ企画「美しき座標―平民社を巡る人々」
▽中日新聞記者・林啓太氏の「ウクライナ、パレスチナ非戦の俳句」
▽信濃毎日新聞編集委員・渡辺秀樹氏による「連載・憲法事件を歩く」
▽ストームピクチャーズ(さいたま市)制作の「時代遅れの最先端 風の谷幼稚園の子どもたち」〈五十嵐匠監督〉
▽朝日新聞宇都宮総局員・高橋淳氏の「ブラック支援 狙われるひきこもり」〈角川新書〉
▽写真家・高橋美香氏の「パレスチナに生きるふたり ママとマハ」〈かもがわ出版〉
▽朝日新聞編集委員・豊秀一氏の長年にわたる憲法に関する一連の報道

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