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2023.12.04 08:39

開通6年で廃止の危機―明日の足 高知の公共交通を考える 【第2便】岐路に立つ予土線(2)

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1974年3月1日の土佐大正駅前。大勢の人が祝い旗を振って予土線開通を祝った(旧大正町)

1974年3月1日の土佐大正駅前。大勢の人が祝い旗を振って予土線開通を祝った(旧大正町)

 1974年3月1日。旧大正町(現四万十町)の土佐大正駅のホームを、祝い旗が埋め尽くした。線路脇にも駅前の通りにも人があふれる。76・3キロで全通した予土線の第1便が滑り込むと、大歓声が上がった。

 「後にも先にも、大正の町にあんなに人が集まったのを見たことがない」。駅の近くに住む80代男性が懐かしむ。

 開通前、旧大正町から高知市に出るには、1時間余りかけてバスで隣の旧窪川町(現四万十町)に行き、窪川駅から土讃線に乗っていた。それが窪川まで30分でつながる。「予土線開通は北幡地域の悲願。うんと楽ちんになった」

 しかし、開通6年後の80年、予土線は早くも廃止の危機を迎える。国鉄は当時6兆円もの赤字を抱えており、全国86路線のバス代替候補に入った。

 「この前ついたばかりじゃないか。日本列島改造論が叫ばれゆう時代に逆行しゆう」。男性は憤った。旧大正町などの沿線自治体は存続に向けて国への陳情を重ねた。

 □  □ 

 同じ80年、旧窪川町では住民を二分する火種が起きる。当時の町長が、…

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