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2023.11.20 18:11

【ぷらっとTOKYO】「王子」 交通の要衝、徳川吉宗由来の公園も

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 名主の滝公園の男滝=東京都北区

 JRや都電、地下鉄が交わる交通の要衝としてにぎわう王子(東京都北区)。歴史のある公園や神社も多く、町の歴史を学びながら散策した。(共同通信=鈴木賢)


 JR王子駅を出て南側に歩くとすぐに、飛鳥山公園の小高い丘が迫ってくる。北区によると、8代将軍徳川吉宗が桜を植樹して江戸庶民に開放したのが始まりという。1873年、都内では上野、芝、浅草、深川と共に日本最初の公園に指定され150年がたった。


 公園の敷地は思いの外広い。周囲に視界を遮る物があまりなく、青空と木々のコントラストが美しい。しばらく歩いて、一帯の歴史や文化を気軽に学べる北区飛鳥山博物館に入った。


 現在よりも温暖な気候だった縄文時代中期―後期初頭、東京湾は内陸に大きく入り込み、王子周辺の低地には穏やかな「奥東京湾」が広がっていたという。長さ約1キロメートルと国内最大規模の中里貝塚の標本や、出土した細長い丸木舟を見学し、太古の営みに思いをはせた。


 公園から北西方向に向かうと地名の由来となった王子神社が現れる。神社の末社、関神社は全国でも珍しい髪の祖神だ。かつらや美容の業界から信仰を集め「毛塚」が立っているのも面白い。


 住宅地を歩いて、明治創業の甘味どころ「石鍋商店」で一息。添加物を使用せず、小麦のでんぷんを1年半~2年発酵させて丹精込めて作られた「久寿餅」は、ほどよい弾力と優しい舌触り。お茶との相性は抜群だ。


 さらに歩いて「関東稲荷総司」の王子稲荷神社へ。関東一円のキツネが身なりを整え、この神社に初詣をするという言い伝えにならって、大みそかから新年にかけて地元住民がキツネに扮して「王子狐の行列」を行う。


 神社からほど近い「名主の滝公園」には、ケヤキやモミジなど木々が、豊かに茂る。園内の男滝は落差8メートルの豪快な滝。流れ落ちる水を眺めていると、しばし都内にいることを忘れた。


 【メモ】北区飛鳥山博物館の休館日は、月曜(休日の場合は翌平日)と年末年始。

(c)KYODONEWS

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