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2023.11.17 05:00

枡野浩一【芸人になりたくて 55歳歌人の挑戦#6】M―1初戦敗退も悔いなし 受賞歴は「踊るヒット賞」 

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 コントを熱演するトリオ「フランス映画」。(左から)叶かずゆき、筆者、関昇平(山下陽平撮影)

 歌人の枡野浩一さんが一度は諦めた芸人になるという夢をかなえるため、芸人養成所に入所した。挑戦する55歳の日々を、短歌を交えてつづる連載の第6回。



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 〈ラブレターみたいに封をして送るM―1専用エントリー用紙〉


 僕のやりたい「短歌のあるお笑い」を実現するためには1人で夢を見るしかないと以前書いたけれど、ピン以外の活動もあれこれ試してはいる。


 前回話題にした藤元達弥弁護士とのコンビ「歌人裁判」だけではない。キングオブコントは、タイタンの学校の同期生2人と暫定的に組んだトリオ「フランス映画」で挑戦した。M―1グランプリには、2013年にダンサーの木皮成と結成し、10年間活動休止していたコンビ「ゾロメガネン」で挑戦した。


 どちらも1回戦止まりだったが、とにかく楽しかった。強がりに思われるかもしれないけれど、本当に悔いが一切ない。


 お笑いをやる才能は少なめにしか持っていない僕だけれど、お笑いを見る目は比較的ある方だと思う。16年にはM―1の準決勝を見た段階でファイナリストを全組当ててしまい、ヤフーニュースになったこともある。


 だから自分たちのネタがまだ勝ち進む水準にないことくらいは分かる。しかし、全くダメなネタだったとも思っていない。とりわけM―1の方は、プロでない芸人を対象とした「ナイスアマチュア賞」は取れるかもしれないと期待した。


 賞は相対評価だから、別の組がその賞を取ったことにも異議はない。僕たちのネタはダンスと短歌披露で「おお~!」という感嘆するような声が上がってしまったので、アマチュアっぽくない「プロ」だと判断されたのだろうと自己分析している。どうです、この、我田引水な自信!


 実は僕は、有名な歌人として「踊る!さんま御殿!!」に出演し、言動がウケて「踊るヒット賞」をもらったこともある。11年11月22日のことだ。


 が、なぜか賞品が届かなかった。タイタンの学校の特別講師が、同番組の名物プロデューサー菅賢治さんだったのは幸運すぎて驚いた。賞の話をエピソードトークとして菅さんの前で話すことができたのだ。12年待った賞品、届いたらいいな。(歌人・芸人志望)



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 ますの・こういち 1968年東京都生まれ。歌人。2022年「毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集」(左右社)を出版した。23年「歌人さん」の芸名でお笑い芸人としての活動を再スタートしたばかり。

(c)KYODONEWS

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