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2023.11.01 08:00

小社会 最後の新曲

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 きょうから11月。1年を振り返るにはまだ早いけれど、今年は大物アーティストの訃報が続く。高橋幸宏さん、鮎川誠さん、坂本龍一さん、谷村新司さん、もんたよしのりさん、桜井敦司さん…。

 若い頃に聴いた音楽は、いつまでも心に刻まれているものだ。その歌い手、弾き手たちが次々と旅立ち寂しさが募る。坂本龍一さんが亡くなったとき、スターも永遠の存在ではない、生で接する機会があれば逃さないようにと思いなおした。

 その流れで足を運んだのが、先月高知市であったギタリスト布袋寅泰さんのライブ。布袋さんもステージで故人たちを悼み、だからこそ後悔のないようにと圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。気付けば名ギタリストも還暦超え。筆者もそれだけ年を重ねたということだろう。

 そうした中、一つの話題が目を引いた。あす、ビートルズの新曲「ナウ・アンド・ゼン」がリリースされる。

 ジョン・レノンさんが1978年に作曲し、音質の問題でお蔵入りしていたデモ音源を最新技術を使って完成させたという。音源は既に公開されていて曲は知られているところだが、「ビートルズの『最後の新曲』」という触れ込みだけで高揚する。そんなファンも多いのではないか。レノンさんらしい愛の曲だ。

 伝説のロックバンドは消滅してもなお存在感を発揮し続ける。そのことが、アーティストが亡くなった喪失感を少し和らげてくれる。

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