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2023.10.30 08:00

小社会 二人三脚

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 日本の運動会の始まりははっきりしないが、少なくとも明治初期には行われていたようだ。例えば東京にあった海軍の学校「海軍兵学寮」。1874(明治7)年、英国を参考にいろんな運動を楽しむ行事が催された。

 教育学者、平田宗史さんの研究によると、観客も入って盛況だったらしい。どの種目も「当時の日本人にとって、初めて見るものであり、珍しいものであった」と論文で紹介している。

 2人が足をひもで結び、肩を組んで駆けるいわゆる「二人三脚」も登場。観客の目を引いたという。足がもつれて止まったり、転んだりする組が多い中、息がぴったり合い、疾走する組は見ていても気持ちがよい。

 それが人々の心をつかんだのだろう。二人三脚はやがて、2人で協力して物事に挑むことを指す言葉になった。中国に同じ言葉があるのかどうかは分からないが、習近平氏と、急逝が伝わった李克強氏も当初はそんな関係だったのではないか。

 中国共産党トップで国家主席の習氏、ナンバー2で首相だった李氏。李氏は経済改革を任され、10年にわたって習氏を支えた。ところがいつの間にか習1強体制となり、経済路線でも対立。李氏は今春、政治の表舞台から去った。

 権力を掌握した習氏は、隣のパートナーがうっとうしくなったのかもしれない。この世からも去った李氏の悲哀。同時に、習氏独走の不気味さを改めて感じるニュースであった。

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