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2023.10.26 08:00

小社会 殿のご乱心

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 ことわざに「売られた喧嘩(けんか)は買わねばならぬ」があるが、「負けるが勝ち」ともいう。作家の久保田万太郎も「喧嘩は、いつでも、できる」との名言を残した。まともに応じて損をしてはばからしい。

 秋田県の佐竹敬久知事の挑発も、その類いだろう。四国の食事は「貧乏くさい」「うまくない」とか。まあ、理不尽にこきおろされたものだ。聞けば、その家柄から「殿」とも呼ばれるこの方は、失言・放言癖があり、地元の地鶏にも厳しい言葉を浴びせたことがある。ご乱心の相手は四国だけではなかった。

 ただ、名指しされたまま放置はできない。愛媛県は「ぜひ再訪して堪能を」と応じ、浜田知事は「目くじらは立てない。私は秋田のきりたんぽも好き」。いいね、大人の対応だ。先方はきのう陳謝した。いえいえ、逆に四国のグルメが注目を浴びた。どうもありがとう―。

 この騒動にスマートに対応した浜田知事。だが先の参院補選でセンスを疑う一件があった。自民党候補の応援マイクを握った。

 政党政治で動く国政と違い、自治体の首長はできれば特定政党に偏らない方がよい。与党にくみした方が県益が大きいとか、自らの信条でどうしてもという場合はそれもありだが、知事は来月の知事選へ野党にも推薦願を出している。節操がないのではないか。

 次の知事は県民が決めるが、少なくとも高知県政のトップは、まともな感覚であってほしいということだ。

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