「ブラディとトマ〜ふたりのおとこのこ　ふたつの国　それぞれの目にうつるもの～」

2023.10.20 05:00

「ブラディとトマ〜ふたりのおとこのこ　ふたつの国　それぞれの目にうつるもの～」

高知新聞社

ねえ、どうしてうちにきたの？
　ある日(ひ)、トマの家(いえ)に遠(とお)い国(くに)から大(おお)きな荷物(にもつ)を抱(かか)えたブラディの家族(かぞく)がやってきました。パパとママからは「外国(がいこく)からのお客(きゃく)さんが来(く)るよ。しばらくいっしょにくらすんだ」としか聞(き)いていません。ブラディたちは、広(ひろ)い地下室(ちかしつ)に住(す)むことになりました。　

　ごはんを作(つく)っても食(た)べないし、一緒(いっしょ)に学校(がっこう)に行(い)っても気(き)まずいまま。

　以前(いぜん)の暮(く)らしを思(おも)い出(だ)し、悲(かな)しむブラディをじっと見(み)ていたトマは、一人(ひとり)でかいぞくごっこを始(はじ)めます。やがて、ふたりは遊(あそ)びだし、トムは気(き)になっていたことをたずねました。

「ねえ、どうしてうちにきたの？」

「たたかい」や「ふね」、同(おな)じ言葉(ことば)でも二人(ふたり)が思(おも)いうかべるのは、まったく違(ちが)います。ブラディは難民(なんみん)で、トマには想像(そうぞう)もつかないのですから。でも、相手(あいて)を理解(りかい)しようとする気持(きも)ちは大(おお)きな変化(へんか)をもたらしてくれます。（ＮＰＯ法人高知(ほうじんこうち)こどもの図書館(としょかん)　宮田()あづさ）

「ブラディとトマ〜ふたりのおとこのこ　ふたつの国　それぞれの目にうつるもの～」　　　　　　　　シャルロット・ベリエール／文　フィリップ・ド・ケメテール／絵　ふしみみさを／訳　ＢＬ出版　小学校中学年以上

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