2023.09.30 09:27
役所窓口で「書き直して」多い漢字は 鈴・西・麗… 点の形、はねなど注意【なるほど!こうち取材班 パートナー紙とともに】
まずは「鈴」。「令」と同じく手書きでは右側のつくりの部分をカタカナの「マ」の上に点を打った形で書くことも多いが、印刷物などの明朝体は「鈴」だ。デザインが違うだけで同じ漢字。間違いではないが、常用漢字の「領」や「冷」、人名用漢字の「伶」「怜」「玲」「澪」なども窓口で引っかかりやすい。
住所を書く時に多用される「西」は、5画目の終筆をはねるかはねないかが問題になる。手書きでは4画目と5画目を真っすぐに下ろす書き方も見られるが、自治体窓口では「俗字」とされる。自治体によっては書類に俗字で書かれていた場合、後で書き直すこともあるという。
「麗」は、「鹿」の上にある点二つを縦に打つか斜めに打つかがポイント。同じように点の打ち方が問題になる漢字に、「言」や「均」などがある。「美」や「幸」は6画目と7画目の横棒の長さで、「真」や「直」は2画目の縦棒を垂直に下ろすか左斜めに下ろすかで違いが出る。「奏」や「邦」も横棒が問題になる。
自治体で使うシステムによっても、デザインの違う字が登録できるかどうかに差が出るという。
例えば「龍」は人名用漢字ではなく、1画目の点を横に倒した形が正式な人名用漢字だ。新聞紙面でも通常は使用しない形だが、熊本市などでは正式な人名用の形でしか名前として登録できない。しかし、熊本県の天草市役所で使うシステムでは「龍」でも登録できるため、結婚などで本籍地が他の自治体に変わった場合、戸籍の名前の漢字表記が微妙に変わるケースもあるという。(熊本日日新聞)
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