2023.09.26 08:40
室戸台風のさなか、命を懸けて患者を救助 ハンセン病棟の看護師・中野鹿尾に光を―そして某年某日(33=終)
〈1934年9月21日〉医師・山本洋さん語る
ハンセン病患者に尽くした1人の看護師の存在を知ってほしい。ハンセン病とその医療人の歴史を調べている医師の山本洋さん(67)=四万十町国保大正診療所・元所長=が静かに語り始めた。
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着物姿で写る中野鹿尾。撮影年など不明。34歳の9月に没した(岡山県の邑久光明園入所者自治会所蔵、山陽新聞社提供)
山本さんは志和の集落に何度か通い、その人となりを調べてきた。
訪ね歩いた先で山野上香井(こおい)さん(96)が「志和小学校の卒業者写真集」を引っ張りだしてくれた。
鹿尾の故郷には小学校卒業時の写真があった。「前列右から4番目」と山野上香井さん(四万十町志和)
両親は小学校の横にあった働き者の豆腐屋さんだったという。
生まれ故郷に残る、数少ない証言と写真だ。
「器量よしで、末の妹さんに顔がそっくり。鹿尾さんは室戸台風で人を助け、亡くなられたと聞いてます」
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