2024年 04月29日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.09.26 08:40

室戸台風のさなか、命を懸けて患者を救助 ハンセン病棟の看護師・中野鹿尾に光を―そして某年某日(33=終)

SHARE

さまざまな人や風景の「ある日」「そのとき」を巡るドラマや物語を紹介します。

〈1934年9月21日〉医師・山本洋さん語る

 ハンセン病患者に尽くした1人の看護師の存在を知ってほしい。ハンセン病とその医療人の歴史を調べている医師の山本洋さん(67)=四万十町国保大正診療所・元所長=が静かに語り始めた。

 □    □ 

着物姿で写る中野鹿尾。撮影年など不明。34歳の9月に没した(岡山県の邑久光明園入所者自治会所蔵、山陽新聞社提供)

着物姿で写る中野鹿尾。撮影年など不明。34歳の9月に没した(岡山県の邑久光明園入所者自治会所蔵、山陽新聞社提供)

「中野鹿尾(しかお)」は昭和初期のハンセン病療養所の女性看護師で、四万十町志和の出身だ。

 山本さんは志和の集落に何度か通い、その人となりを調べてきた。

 訪ね歩いた先で山野上香井(こおい)さん(96)が「志和小学校の卒業者写真集」を引っ張りだしてくれた。

鹿尾の故郷には小学校卒業時の写真があった。「前列右から4番目」と山野上香井さん(四万十町志和)

鹿尾の故郷には小学校卒業時の写真があった。「前列右から4番目」と山野上香井さん(四万十町志和)

 「お顔なら分かりますよ。この人が鹿尾さん。明治45年の卒業」 

 両親は小学校の横にあった働き者の豆腐屋さんだったという。

 生まれ故郷に残る、数少ない証言と写真だ。

 「器量よしで、末の妹さんに顔がそっくり。鹿尾さんは室戸台風で人を助け、亡くなられたと聞いてます」

この記事の続きをご覧になるには登録もしくはログインが必要です。

高知のニュース 四万十町 医療・健康 ひと・人物 歴史 そして某年某日

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月