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2023.09.22 08:33

外来アレチウリ駆除を 農業被害など専門家報告 四万十町

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アレチウリの葉。チャーテやカラスウリなどに似ている(写真はいずれも四万十町大井野)

アレチウリの葉。チャーテやカラスウリなどに似ている(写真はいずれも四万十町大井野)

 強い繁殖力から農業被害が指摘され、県内でも分布が確認されている北米原産の外来植物「アレチウリ」の防除に向けた講演会がこのほど、四万十町香月が丘の窪川ふるさと未来館で開かれた。調査を進める県立牧野植物園などは「今ならまだ駆除が可能」として、県内の早期の駆除・防除を目指している。

覆い茂ったアレチウリ。他の在来種を枯らせることもある

覆い茂ったアレチウリ。他の在来種を枯らせることもある

 アレチウリはウリ科の一年草で、1952年に静岡県清水港で初確認。大豆などの輸入穀物に交じって入ったとみられ、90年代から各地で確認されるようになった。成長が極めて早く、4月以降に芽吹いた後、10月ごろには鋭いとげのある実を付けて種を拡散。在来の草木を覆って枯らせることから、環境省の特定外来生物(植物19種)と、日本生態学会の「侵略的外来種ワースト100」(植物27種)に指定されている。研究者の一人、信州大学農学部、渡辺修准教授(54)によると、国内では北関東、長野県、東北などに多く、イタリアなど欧州でも問題化しているという。

 また、県立牧野植物園植物研究課主任、田辺由紀さん(45)によると、県内では89年に須崎市で初確認以降、旧春野町、日高村、大豊町、土佐市、四万十市などでも見つかった。四万十町周辺では2018年、中土佐町大野見地域の四万十川河川敷で見つかり、下流の四万十町大井野、東川角地区にも広がっていることが判明。調査に協力する四万十川上流淡水漁協や自然保護団体「遠山を守る会」が根を掘り出すなど駆除を続けている。

 県牧野記念財団が8日開いた講演では、渡辺准教授や、福井県立大学生物資源学部の水口亜樹准教授(47)らが国内の現状や防除方法などを紹介。長野県では、アレチウリが畑に繁茂し耕作を諦めた事例やソバの受粉を妨げたりする可能性のほか、農林水産省が本年度末にも全国的な防除マニュアル作成を予定していることを説明した。

 同植物園の田辺さんらは「葉の形状がチャーテ(ハヤトウリ)や、カラスウリなどに似ており、一般には見分けにくい。高知県内では駆除が可能で、早期に対策を進めたい」と話している。

 講演会は後日、高知市の同植物園でも開かれた。(小林司)

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