2023.09.17 08:00
小社会 終わっていない
4年前の参院選広島選挙区、安倍政権は政敵潰(つぶ)しをもくろみ、河井案里候補を擁立。河井陣営には他選挙区の候補とは桁違いの1億5千万円もの資金が自民党本部から渡った。当時衆院議員だった夫の克行氏らは地方議員ら100人に多額の現金をばらまいた。
同紙が示したのは1億5千万円とは全く別の裏金の存在をうかがわせるメモ。メモ魔の克行氏は当時の安倍首相、菅官房長官、二階幹事長、甘利選対委員長とみられる4人と数字を書き残していた。単位が「万円」なら計6700万円。
克行氏は、買収原資は1億5千万円ではないとしていた。検察は、実際の原資はこのメモにあるカネではないかと見立てたが、調べが難航し、政権中枢の4人への聴取はしなかったという。
同紙の取材に対し、メモに「100」とあった甘利氏は100万円の提供を認めたが、菅氏は「そんなことあるわけがない」、二階氏は「案里って何者なのよ」。
取材班は2年前、克行氏の有罪確定後に出した本に「事件は終わっていない」「うみを出し切る」と書いていた。言葉通り、民主主義をないがしろにするものと闘い続けている。