2023.09.16 08:00
小社会 アレとの縁
打線の不振が続いた。〈サードから本塁までが遠すぎて半日かけてもたどりつけない〉〈打ててれば勝ってる試合が十はあり打ってないから十は負けてる〉。勝率は1割未満に。〈春の夜に067が示すのは大阪の電話と阪神の勝率〉
好調なら好調で、虎ファンは「うまくいき過ぎじゃないかな」と不安になると書いたのは作家、故・北杜夫さん。そんな自虐心理も心配性も顔を出す暇はなかったかもしれない。阪神が岡田彰布監督の言う「アレ」、18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。
きのうの本紙が安芸市民の歓喜を伝えていた。阪神の春季キャンプは1軍に続いて今春、2軍も撤退して沖縄へ。秋季だけにはなったが、地元は「わが子が報われたようでうれしい」。半世紀以上築いてきた関係の深さは健在のようだ。
甲子園球場では7月に28歳で逝った若虎、横田慎太郎さんのユニホームが選手と一緒に胴上げされ、涙を誘った。彼の父は南国市出身で明徳高、プロ野球で鳴らした真之さん。何かと高知との縁を感じたアレの風景である。
ところで、岡田監督は次に目指すべき日本一をどう表現するのだろう。やっぱり「ソレ」だろうか。