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2023.08.13 19:09

「もう何も残っていない」 変わり果てた町、悲嘆の涙

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 12日、山火事の被災地で捜索に当たる救難担当者ら=米ハワイ・マウイ島ラハイナ(AP=共同)

 【カフルイ共同】火の手は強風にあおられ一気に広がり、観光地ラハイナを瞬く間にのみ込んだ。「もう何も残っていない」。危うく逃れた住民は絶望に暮れ、歴史ある町の変わり果てた姿に「悲しい」と涙をにじませた。多くの命を無慈悲に奪い去った山火事が起きた米ハワイ・マウイ島に12日、共同通信記者が入った。


 壊滅的な被害を受けた島西部のラハイナから東へ約20キロ。カフルイの体育館では被災住民400人超が身を寄せ合うように避難生活を送っていた。飲料水や食料、乳児用おむつなどの救援物資が大量に届けられていた。


 「車で避難しようとしたが渋滞で動けず、迫り来る火に囲まれた」。避難所の屋外に置かれた簡易ベッドの上で、ラハイナ在住の飲食店員アメリタ・ティングソンさん(68)は間一髪の脱出劇を振り返った。


 8日夕方、自宅に煙が充満し、家主が「避難を!」と叫んだ。5人で車に乗り込んだが、道路は大渋滞。


 1時間前後が経過したころ、車は火に囲まれた。やむなく車を飛び出し海に身を投じた。車と共に所持品も焼かれ、全てを失った。

(c)KYODONEWS

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