2023.08.13 17:53
乃木坂46岩本蓮加「アイドルは手を引っ張る、演技は握る感じ」 ※インタビュー音声連動記事※
「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」でトークする岩本蓮加=東京都豊島区
下記トークショー後に記者が行った岩本蓮加さんへの単独インタビューの音声を、ポッドキャスト番組「山崎あみ『うるおう』リコメンド」で聴けます。「うるりこ」で検索を。
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東京・池袋の新文芸坐で開かれた第12回「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」で、昨年3月に他界した俳優・宝田明さんの遺作「世の中にたえて桜のなかりせば」(昨年4月公開)が上映され、共に主演した「乃木坂46」の岩本蓮加(19)がトークショーに登壇した。
岩本はアイドルとしてステージにいる時の自身は「少しでも夢や、つらいことがある人に、手を差し伸べて、引っ張る感じ」と言い、映画で演じる時は「伝える、寄り添う。共感を得てもらうので、手を差し伸べて握る、優しめな感じです」と独自の感覚を表現した。
映画で共演した宝田さんは、幼少期を旧満州で過ごし、ハルビンで終戦。壮絶な体験をして命からがら新潟に引き揚げた。その体験は「世の中に―」のせりふにも反映された。
岩本は「宝田さんが撮影中も何度か(平和への思いを)聞かせてくださって視野が広がりました」と改めて感謝。「(何気ない日常も)当たり前じゃないんだなと感じながら生きたいと思います」と語った。
本作は、教師をいじめる同級生らに反発して不登校になった高校生・咲(岩本)が、終活を手伝うアルバイトを始め、相談役の老紳士(宝田さん)と共に、人々に寄り添い、自らも人生に向き合う物語。
岩本は当時17歳、演技経験がほぼゼロだったが、エグゼクティブプロデューサーも務めた宝田さんが抜てき。撮影で最初に演じたシーンは、咲が同級生につかみかかる最も激しい場面だったという。
宝田さんは生前、岩本を「度胸がいいし礼儀正しく、大女優の片りんがある」とたたえていた。
岩本は、当時を思い出して恐縮しつつ「大女優の片りんとかは自分ではもちろん思わないですが、何か可能性があるのかなと思えるありがたい言葉だったので、宝田さんと一緒に演技して学んだことを生かせる場があれば、演技したいなと思います」と俳優活動に意欲を見せた。
今年の宝田さんの命日には、お墓参りをし、映画公開後のことを報告したという。
(取材・撮影=共同通信・宮崎晃)
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トークショー後、岩本蓮加さんに記者がインタビューし、映画や宝田さんのこと、大切にしていること、乃木坂46の新曲のことなどを語った音声を、ポッドキャスト番組「山崎あみ『うるおう』リコメンド」(略称うるりこ)で公開しています。Spotify、Apple、Amazon、Googleの各ポッドキャストで聴けます。
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