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2023.07.30 08:25

シラス漁船久々に新造 高知市浦戸の漁業者 水揚げ増に意欲

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新造されたシラスパッチ網漁船「九利丸」が大漁旗をなびかせ、浦戸湾を航行した

新造されたシラスパッチ網漁船「九利丸」が大漁旗をなびかせ、浦戸湾を航行した

高知市浦戸のシラス漁業者が2隻一組の新船「九利丸(くりまる)」(各9・7トン)を建造し、29日にお披露目した。県漁協などによると、シラス船は県内では少なくとも7年以上、造られていないとみられる。船主で漁労長の前田隆寛さん(43)は8月に漁を始める予定で、「漁獲効率を上げて水揚げを増やす」と意気込んでいる。
 
餅投げで地域住民らと新造を祝った(高知市浦戸)

餅投げで地域住民らと新造を祝った(高知市浦戸)

 シラス漁は袋状の網を2隻で引っ張る漁法で「パッチ網漁」と呼ばれ、県内沿岸で広く行われている。前田さんは父親の代から「九利丸海産」の屋号を掲げて家族で漁や加工を手掛けており、建造から45年がたつ旧船2隻(各7・9トン)は設備の故障が増加。「漁の状況やシラスの需要などを踏まえ、将来に向けて投資することにした」という。

 新船は全長17・5メートルで旧船より約4・6メートル長く、幅も広いため「安定性が増し、作業スペースも広いため安全に漁ができる」。さらに、100メートルほど離れて網を引く2隻が、互いの魚群探知機の画像を共有する装置も導入した。

 漁業者の競争力強化を目指す国の漁船リース事業を活用し、総事業費1億2500万円の約半分を国、県、市の補助でまかなった。残りを9年間で返済しながら、3千万円前後だった平年の漁獲高を10%以上増やす目標を立てている。県漁業就業支援センターなどによると、2015年に始まった同事業で、シラス漁船の建造は初めて。

 前田さん家族は、昨年末まで漁獲したシラスの大部分を県内の加工業者に納入していたが、今年からは乾燥機などを構えて全量を加工し、東京などへ販売する体制を整えた。前田さんは「漁獲から販売まで一貫して行い、事業を発展させたい」と話している。(八田大輔)

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