2023.07.25 08:44
「美少女」造形で時代開く 「海洋堂」BOME(ボーメ)さん―そして某年某日(31)
〈2022年12月14日〉おたくの中のおたく 文化庁から表彰される
「美少女フィギュア」で時代を切り開いたいたボーメさん。この両手が、数々の作品を生み出した(大阪府門真市の海洋堂本社)
「美少女キャラクターフィギュアというジャンルを開いた世界的造形師」
「現代アートとしても高い評価を獲得し、日本の現代文化の支え手として多大な貢献をしている」
文化庁長官は、作曲家として著名な都倉俊一氏(右)。昨年はジュディ・オングさんら92人の音楽家、美術家、学者らを表彰した。そうそうたる面々が集う式場で、ひときわ異彩を放ったボーメさん(左)=海洋堂提供
「海洋堂」(本社・大阪府門真市)が誇る造形師の一人だが、宮脇修一専務(66)にしても、全くの想定外だった。
「半世紀前、いい大人がプラモなんかやってると『幼稚な人やねえ』『そんなもん作ってるとばかになる』と言われました。まして美少女フィギュアなんていかがわしい、恥ずかしいもの。それを今回、国家権力さまが認めてくれはった」
「ある時はすぐに、僕らみたいなものはつぶしにかかられますからね。こういうおたくの世界は、いつの時代も人から軽んじられる仕事なので…」
◇ ◇
ひょうひょうとした61歳。ボーメさん本人は、表彰をどう受け止めているのだろう?
「アーティストとか言われても…。まあ全然、自覚ないですよね。やっぱり自分はもの作りというか、裏方の人間じゃないかなと。なぜか知らんけど表へ出てしまうんですけどね…」
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