2023.07.14 12:00
土佐清水市に「特別輝く日」を!ホテル「TheMana Village」で9月に「ざまなフェス」 縁日、花火を計画―EINEE高知
ホテル「TheMana Village」で9月、「ざまなフェス」が計画されています(写真はいずれも土佐清水市足摺岬の「TheMana Village」)
■土佐清水にはポテンシャルがある
「TheMana Village」の前身は、足摺パシフィックホテル花椿。代表の高野由之さん(39)が2019年9月に購入し、2022年3月に「TheMana Village」として再スタートさせました。
当時、大手企業を辞め、旅館などの事業再生に携わった後に起業したばかりだった高野さん。ホテル購入のきっかけは、事業継承の話を受け、初めて訪れた土佐清水市で目にした光景でした。
テラスで食事をしながら、夕暮れを楽しめます(提供写真)
晩ご飯で清水サバを堪能し、パシフィックホテルに宿泊した翌朝、窓の外には真っ青な海が広がっていました。
「海の美しさ、食事のおいしさ。土佐清水にはポテンシャルがある。『うちが継ぎます』とその日に伝えました」
運命的とも言える土佐清水市との出合い。高野さんはほれ込んだ海の魅力を最大限に引き出すため、海に面したプールをテラスにリニューアル。イタリアンレストラン「Azzurrissimo(アズリッシモ)」を開業しました。
イタリアンレストラン「Azzurrissimo」のテラスはオーシャンビュー。閉鎖されたプールをリニューアルしました(提供写真)
■静寂な海から打ち上がる花火
高野さんにとって、ホテルの再生は「地域の再生」でもあります。
住民と関わる中で感じるのが「諦め」の気持ち。「人口が減り、地域も寂れている。心の中では『清水はめちゃめちゃいい所』と思っているのに、『しょうがない』となってしまっているのではないでしょうか」
土佐清水の良さを地域の人々に再認識してもらい、地域外の人々には強いインパクトで伝えたい。そう考え、2日間の「ざまなフェス」を企画しました。
従業員は和気あいあい。会話からアイデアが生まれています
「昼間はテラスでバーベキューしたり、地ビールを飲んだり。夜は縁日にコンサート。17日のフィナーレで花火です。静寂、漆黒の暗闇に打ち上がる花火は、花火師も驚く絶景なんですよ」
■ハワイ、モルディブに「負けてない」
土佐清水市へは高知龍馬空港から車で3時間余り。「東京から一番遠い場所」とされる移動時間が観光振興のネックとも言われてきました。
高野さんは、移動時間や距離は「関係ない」と断言します。
「TheMana Village」代表の高野由之さん。2019年に初めて土佐清水市を訪れ、海と食に「一目ぼれしました」
ホテル名「TheMana Village」の「ザマナ」は、幡多弁で「とても」「すごく」を表す「ざまに」と、ハワイの言葉で「超自然的な力」「生命に宿る力」を表す「マナ」を掛けています。「ザマナ」は土佐清水のポテンシャルを表す言葉でもあります。
「ざまなフェス」で土佐清水市に「特別輝く日」をつくる一方で、「日々の取り組みで地域の魅力を着実に高めていきたい」という高野さん。空き家の再生や農園の継承など、次々とアイデアが生まれています。四国の最南端で、“ざまな”挑戦は続きます。(門田朋三)
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