2023.07.05 18:36
ウクライナ原発に「爆発物」情報 ロシア工作活動の一環か
【キーウ、ウィーン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は4日演説し、ロシアが占拠する欧州最大の南部ザポロジエ原発で、複数の原子炉建屋の屋上に爆発物のような物体が置かれたとの情報があるとして「世界は見ている」とロシアをけん制した。報道によると、ウクライナ軍はロシア側の工作の可能性を指摘。爆発物が破裂しても原子炉を損傷させる威力はない一方、ウクライナ軍が砲撃したような印象を与えると主張した。
原発には6基の原子炉があり、昨年2月の侵攻後ロシア軍に占拠された。米メディアによると、5基は占領後、安定的に停止した冷温停止状態となり、残る1基も先月、冷温停止状態となった。問題の物体は4日、2基の建屋の屋上に置かれたという。
原発の状況について、米シンクタンクの戦争研究所は4日、ウクライナの仕業に見せかけようとするロシアの「偽旗作戦」の可能性があると説明。原子炉は非常に頑丈に設計されており、ロシアが現時点で事故を引き起こす恐れは低いとの見方を示した。