2023.07.04 17:33
東京・八王子に醸造所誕生 年間通じて醸造可能
東京八王子酒造の仕込み用小型タンク=東京都八王子市
東京都八王子市に日本酒醸造所「東京八王子酒造」が誕生した。小規模ながら冷房、冷蔵など必要な設備を完備しており、年間を通じて醸造可能で、今夏の販売開始を目指して稼働を始めた。(共同通信=鈴木賢)
醸造所はJR八王子駅から徒歩5分。江戸情緒が漂う町中にある。もともとあった料亭の一部を改修して、こうじ菌を育てる「こうじ室(むろ)」や仕込み用の小型タンク5台を設置。酒造りの工程に応じて施設内を一定の温度に保つことができ、年間で最大6万リットルの醸造が可能という。
醸造所を開いた酒造会社の西仲鎌司社長は八王子市出身。「もともとは酒販売業でしたが、八王子は良質な米どころなので、地元で酒蔵を開いて、八王子産のおいしい米で酒造りをしたいと考えるようになった」と話す。
西仲社長が目指す日本酒は「和洋中を問わず、どのような食事にも合って気軽に楽しめるライトな食中酒」という。「醸造所が市街地にある利点を生かして、幅広い年代の方に、フレッシュで風味の良い日本酒の魅力を知ってもらう機会を提供していきたい」と話す。
東京八王子酒造のモットーは「多品種・少量生産」。醸造所併設のショップでの小売りも予定しているほか、いずれは消費者から注文を受けて、イベント用や贈答用などの希望に応じ「新鮮な日本酒を“オーダーメード”で醸造していきたい」(西仲社長)という。
(c)KYODONEWS