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2023.07.03 08:37

デジタルで幡多を元気に プランナー 小林華子さん(32)高知市―ただ今修業中

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「それぞれのSNSに特化した撮り方があるんです」と花にカメラを向ける小林華子さん(高知市丸ノ内1丁目)

「それぞれのSNSに特化した撮り方があるんです」と花にカメラを向ける小林華子さん(高知市丸ノ内1丁目)


 高知市の一角。スマートフォンを近づけて花を撮影した後、女性が見つめるのは、交流サイト(SNS)の投稿画面。「こっちは四万十市の観光施設で、こっちは商業施設の…」とアカウントや媒体を切り替え、自らが投稿した内容や、ウェブ上での反応をチェックしていく。

 幡多地域の広報誌の作成やイベント運営などを手がけるせいぶ印刷工房(四万十市)の社員だが、生活拠点は高知市に置く。主にリモートワークで担うのは、SNSの運用代行、紙面やウェブのデザイン、イベントの企画立案など幅広い。企業のニーズを聞き出し、ともに悩みを解決するプランナーとして「未開拓の分野で幡多を盛り上げたい」と夢を語る。

 ◆

 四万十市出身。中村高校から愛媛県の大学へと進み、高知市のIT企業に就職。システムエンジニアとして経験を積んだ。事務職などを経て出合ったのが、企業や自治体のSNS戦略をサポートする同市内に事業所を置く会社だった。

 「県内のご当地キャラクターの立ち上げに個人的に関わった際、SNS戦略に触れたこともあり、もっと知りたいと思った」。もともと人を喜ばせるのが好きな性格で、反応がダイレクトに分かるSNSを扱う仕事は肌に合っていた。在職中に基礎を身に付け、関連する資格を取得した。

 紙以外での新たな情報発信媒体を求めていたせいぶ印刷工房と「生まれ育った幡多に恩返しがしたい」との小林さんの思いが合致し、2年前に入社。幡多の企業や自治体からSNS戦略などの相談を受けている。

 今や企業などのPR戦略にSNSは不可欠。相談件数は増えているが「上層部と現場でSNSへの熱意に差があったり、そもそも発信するコンテンツがなかったりして、思うように進まないケースもある」と小林さん。臨機応変な対応や提案の幅を広げる必要性を痛感する日々が続いている。

 「企業によって課題の根はさまざま。その役割や歴史、強みや弱みなど、今まで知らなかったことを知り、視野を広げています」。真のニーズをくみ取り、それに寄り添った提案ができるよう社内外の人に教えを請う。「毎日が勉強」と表情を引き締める。

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好きな言葉

好きな言葉

 月に1週間ほど滞在する四万十市では、取引先や興味を持った人々と積極的に交流するようにしている。「どれだけデジタルの世界が進んでも、結局発信も、受け取るのも生身の人なんです」。その心に訴えかける手がかりを見つけようと、生の会話を大切にしている。

 課題を持つ企業や団体、人と人をつないで、思わぬ成果を得られたことがあった。集客力アップを狙う商業施設と、知名度不足に悩む県のスポーツ施設からの相談を受け、商業施設での出張体力測定イベントを提案。当日は盛況となり、双方の担当者も喜んだ。少し充実感に浸れた。

 「幡多にはまだまだいろんなチャンスが埋もれている。デジタルの力をうまく取り入れて、企業活動を盛り上げ、地域を元気にしたい」と力を込めた。

 写真・土居賢一
 文 ・川田樹希

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