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2023.06.17 08:00

小社会 6選出馬表明

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 「市民の心を心として」を信条に高知市長を4期務めた故横山龍雄さんが、自分はその器ではないと考えていたのは知られた話だ。最初の出馬要請は再三固辞し、2期目の改選前には胃潰瘍を理由に医師に出馬を止めてほしいと相談している(自伝「春夏秋冬」)。勇退表明でも「長くやり過ぎた」との弁を残した。

 それでも務めたのは、当時の保革対決の構図の中で引けなかったこともあるが、やはり「(市民を前に)仕事を絶対投げ出せなかった」と、妻輝子さんが著している。本意でない市長職ながら選挙で勝ち続けたのは、責任感と人柄が市民に伝わっていたからだろう。

 その横山さんを抜き、在任期間最長を更新している岡﨑誠也市長が6選出馬を表明した。

 多選批判は既にある。それを織り込んだ上での続投意欲は横山さんと対照的だが、実は根っこの部分は通じるのかも。ともに市政一筋。問題が多岐にわたり、議会も癖がある県都の切り盛りの難しさが身に染みており、放り出せないとのこだわりは同じであるように映る。

 もっとも、決めるのは当然市民である。今回は、自民党県連や県議会の要職を務めた桑名龍吾さんが出馬する。共産党も擁立方針だ。争点、陣立ての具体化はこれからだが、接戦必至の展開だ。

 その緊張感こそ市政を磨き、市民の熱も掘り起こす。やはり選挙の妙味は勝ち負けか。秋の県都の戦いから、目が離せなくなってきた。

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