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2023.06.16 10:12

牧野博士の結婚、印刷所主人が仲人【復刻】「愛の巣と苦悩と」連載「淋しいひまもない―生誕150年牧野富太郎を歩く」(43)

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 朝ドラ「らんまん」の万太郎(神木隆之介)は寿恵子(浜辺美波)への結婚の申し入れを決意しました。その仲介を石版印刷所の主人である大畑義平(奥田瑛二)に頼みます。これは史実に基づいたストーリーです。実際の牧野富太郎博士石版印刷所で1年ほど見習いをしていて、その主人に仲人を頼んだと書き残しています。ドラマで描かれているように、印刷所での2人の関係はそれほど親密なものだったのでしょうね。そのことを書いた過去の記事を復刻しましたので、お読みください。

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 愛の巣と苦悩と 「淋しいひまもない 生誕150年 牧野富太郎を歩く」(43)

 牧野富太郎が東京・根岸で寿衛(すえ)との生活を始めたのは1888(明治21)年のこと。牧野26歳、寿衛は15歳ごろだった。

 このころ牧野は、大学に通いながら石版印刷屋で働いていた。

若き日の牧野富太郎と寿衛(県立牧野植物園所蔵)

若き日の牧野富太郎と寿衛(県立牧野植物園所蔵)

 〈私は当時大学で研究はしていたが何も大学へ就職しようとは思っていず、一年か二年この東京の大学で勉強したらすぐまた土佐へ帰って独力で植物の研究に従事しようと思っており、自分で植物図譜を作る必要上この印刷屋で石版刷の稽古をしていた時だったので、これを幸いと早速そこの主人に仲人をたのんだのです〉(牧野富太郎自叙伝)

 寿衛との結婚の仲介をアルバイト先の主人に頼んだのだった。一応このように仲人という存在はあったようだが、それは結婚というよりも、同棲(どうせい)生活といったふうであった。

 牧野は、大学の主任教授だった松村任三から勧められた縁談を断ったというようなこともあった。どういう縁談だったのかは分からないが、…

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