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2023.05.30 08:28

「PTAは必要?」 コロナ禍機に活動精選も【なるほど!こうち取材班 パートナー紙とともに】

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 西日本新聞「あなたの特命取材班」は2月から3月中旬まで、PTAの必要性をはじめ、運営の在り方に関するアンケートを実施した。 全国から約2500人の回答があり、その7割が活動に参加した経験があった。保護者、教員から多数の不満が寄せられた一方、コロナ禍を機に活動の精選が進んだとの声も。参加者の負担を抑え、意義を感じられるPTAにするためのヒントもあった。

 「PTAの講演会への参加や広報誌作りなどで子どもに多大な迷惑を掛けた」。福岡市の女性(41)は振り返る。自身が子どもの頃も、親が夜のPTA会合に出るため、家で寂しく過ごした経験があるという。大分県の女性(34)は「役員を任され、有給休暇をPTAの活動に使ったせいで、参観日に回す日数がなくなった」と嘆いた。

 「メールで済む内容を1時間以上かけて話す」など、運用が非効率という指摘も目立った。学校の備品購入費を捻出するためのベルマークの回収、集計作業も同様だ。

 本来は任意なはずなのに、事実上は「強制加入」になっているケースも。「子ども1人に、役員を1回しなければならないルールがある」「『PTAに入らないなら子どもを集団登校から外す』と言われた」

 たまった不満は、活動を担う委員決めの際のトラブルにつながっている。「多忙で今回はできないと断ったにもかかわらず、勝手に役員にされた」「できない人は病名や妊娠、出産予定など理由を詳しく説明しなければならず、プライバシーも何もない」など、過度な押し付け合いが起きているという。

 アンケートでは、PTAとして実施した方がいい活動を複数回答で聞いた。最多の2割に上ったのが「校外での見守り活動」で、「運動会など学校行事の手伝い」が次いだ。実施すべきではない活動は「学校行事の広報活動」「卒業生から学校への記念品の贈呈」「ベルマーク収集」「卒業生への記念品の用意」などで、いずれもが2割前後だった。

 こうした意識を踏まえ、活動が制限されたコロナ下に改善した組織もある。

 広島市のあるPTAでは登下校の見回り、制服の再利用に活動を絞り、保護者が参加する講演会やスポーツ大会をなくしたという。PTA役員を数年続けている福岡市の女性(52)は「行事参加の仕方や活動の頻度を変えて自由度が上がり、負担は小さくなった」とする。

 ただし、改革の必要性を感じても一会員では限界がある。まずは役員になり、賛同者を集めて…となると負担は大きい。複数の回答者が「文部科学省から、PTAの運営に関する統一した通達を出すべきだ」と訴えた。(西日本新聞)


 県民・読者とつくる調査報道企画、高知新聞「なるほど!こうち取材班」(なるこ取材班)。連携する全国のパートナー紙の記事や県内の状況を随時掲載で紹介します。

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