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2023.05.06 08:40

高知県内休めない人々 連休感?皆無です―ノー密!? GWこうち(4)

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挙式に相談に大忙し。新郎らに指輪交換の動作を伝えるプランナーの小松優さん=中央(高知市はりまや町2丁目)

挙式に相談に大忙し。新郎らに指輪交換の動作を伝えるプランナーの小松優さん=中央(高知市はりまや町2丁目)

 観光地を巡る県外客や、のんびり過ごす帰省客の笑顔が広がるゴールデンウイーク(GW)。一方で、そのにぎわいや社会機能を支えるため、働き続ける人たちがいる。

 大安吉日の4日夕。高知市の結婚式場「オワゾブルー」では挙式の準備が進んでいた。「関係者が団結してこの日に懸ける。休みたいというより、幸せな顔を見たい」。プランナーの小松優さん(27)は、慌ただしくも笑顔を絶やさない。

 「挙式がなくても、帰省ついでに相談に来られる方も多い。各スタッフともGW中の休みは1日。連休感は皆無ですね」

「お客さんとのコミュニケーションも楽しい」。子どもらの注目を浴び、アシカに餌をやる飼育員の高木竣斗さん(高知市浦戸の桂浜水族館)

「お客さんとのコミュニケーションも楽しい」。子どもらの注目を浴び、アシカに餌をやる飼育員の高木竣斗さん(高知市浦戸の桂浜水族館)

 こどもの日の5日。高知市の桂浜には、北海道から九州まで県外ナンバー車が押し寄せた。桂浜水族館は「ほぼフル動員」という。

 アシカやペンギンの餌やり体験が大人気。バックヤードでは職員2人が餌のキビナゴをひたすら容器に詰める。「補充してもすぐ無くなる。エンドレス!」

 飼育員の高木竣斗さん(22)は「動物の世話は休めない。県外の水族館で働く友達も仕事って言ってました」。連休中は訓練する時間が取りにくいといい、「ちょっと寂しい。もっと動物と触れ合いたいんですが」とはにかんだ。

 桂浜と高知競馬場を結ぶシャトルバス停車場で、50代の男性運転手が「こんなにぎわいは『龍馬伝』以来やない? しんどいねぇ」と苦笑い。それでも、観光客の「ごくろうさま」の声に顔をほころばせた。

 県民生活を支える職種も連休とはいかない。

 高知市南河ノ瀬町のガソリンスタンド経営、杉本賢亮さん(33)は「常連のお年寄りもいるし、土木や運送業は動いている。休むわけにいかない」。

 県北部の40代男性看護師も「休めないねえ。今晩も深夜勤務」と夜勤明けの疲れ声。「GWはどこも混雑するし、ちょっと迷惑。でも観光や飲食業はコロナ禍で大変だったから、潤ってもらいたい」と気遣った。

 高知市春野町東諸木の農家、正木順子さん(51)は夫とともに、室温36度超のハウスからキュウリ満載のコンテナを運び出していた。「収穫は毎日。休んだらキュウリが太り過ぎてしまう。新鮮なまま直売所などに出したいし」

 夫妻に連休はないが、愛知県で働く息子と孫が帰省中。「1歳の孫に会えるのは癒やし。それが私たちのGWです」。噴き出す汗を拭った。(八田大輔、浜田悠伽)

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