2023.04.30 14:59
新興国、超大国に距離感か 対立関与を回避、米紙報道
3月、インドの首都ニューデリーで開かれたG20外相会合に出席する各国の外相ら(ゲッティ=共同)
【ワシントン共同】ロシアのウクライナ侵攻などを巡り、パキスタンやインド、エジプトなどの新興国が超大国のいずれからも距離を保ち、自国の安全を保とうとしていることが米国で流出した機密文書から分かったと、ワシントン・ポストが29日報じた。
米国、中国、ロシアのいずれが最終的に覇権を握るか見えない中で、板挟みになることを避けているという専門家の分析を紹介。新興国を経済や安全保障の面で支援し、支持を得ることを目指すバイデン大統領の外交戦略が困難に直面していると指摘した。
流出した米情報機関の文書によると、パキスタンの閣僚は、米国との関係を維持すれば中国との「本当に戦略的な協力関係」が犠牲になると警告。ウクライナ侵攻を巡る国連でのロシア非難決議案については2月、シャリフ首相の側近が「賛成すれば貿易やエネルギーを巡るロシアとの交渉力を損なう」と助言し、棄権に導いたとした。
20カ国・地域(G20)議長国のインドも、多国間交渉の場ではロシアを支持する意向をロシア側に伝えた。