2023.04.29 07:42
北朝鮮、「米韓宣言」を非難 バイデン氏は「老いぼれ」
北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長(コリアメディア提供・共同)
【台州(中国浙江省)共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は29日、朝鮮中央通信を通じ、米韓が発表した「核の傘」提供を軸とする拡大抑止強化をうたった共同文書「ワシントン宣言」を非難する声明を出した。バイデン米大統領が26日の米韓首脳会談後の共同記者会見で北朝鮮が核攻撃すれば「政権の終焉を招く」と述べたことを「未来がない老いぼれの妄言」と呼んで反発した。
声明は28日付。特に戦争抑止に失敗した場合に先制攻撃を行う核戦力の「第二の任務」を一層完璧に整えるとも表明した。
北朝鮮は核戦力開発を2021年からの国防5カ年計画に基づいて進めており、ワシントン宣言は今後開発を正当化する名目にするとみられる。
声明は、ワシントン宣言が「極悪な敵視政策の産物で、危険な結果を招く」と主張。米韓が合同演習を行えば北朝鮮の自衛権行使も「正比例して増大する」と表明した。
米朝関係が現在のように緊張していた17年9月、金正恩氏が声明で当時のトランプ米大統領を「老いぼれ」と呼んだことがある。