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2023.04.16 08:39

ホギホギ、ヘビだらけ!パワー充満 蛇王神社(高知県四万十市)―フォっトけないす

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こま犬ならぬ〝こまヘビ〟が並ぶ石段(写真はいずれも四万十市名鹿の蛇王神社)

こま犬ならぬ〝こまヘビ〟が並ぶ石段(写真はいずれも四万十市名鹿の蛇王神社)

 四万十市名鹿に知る人ぞ知るパワースポットがある。その名も蛇王神社。ちょっと怖そうと思いつつ訪れてみると、ただただ圧倒された。何がすごいって、そりゃヘビに尽きます―。

 土佐清水市に続く海沿いの県道を折れ、細い山道を進んだ先にその神社はあった。入り口の鳥居脇に、さっそくヘビの木製像。そこから延びる長い石段の両脇にも、石のこま犬ならぬ〝こまヘビ〟がとぐろを巻いて並ぶ。

熊本県の神社から譲られた夫婦白蛇蛇紋石

熊本県の神社から譲られた夫婦白蛇蛇紋石

 不気味というより不思議な雰囲気にのまれていると、作務衣(さむえ)姿の男性が「ようこそ蛇王さんへ」と迎えてくれた。同神社を管理しているサイバラ建設会長の西原功さん(82)だ。

 西原さんによると、神社の建立時期は不明だが古くから蛇王権現を祭り、住民らの信仰を集めた。ただ、同社が一帯の土地を取得した1973年には社がかなり朽ちていたそう。88年に住民らが再建を決定。同社も協力して社を建て替え、参道の整備などを進めた。

 社の中に鎮座するご神体は白蛇像。これと別に空中にせり出すように作られた小さな社もあり、蛇王神像が鎮座する。そこへ向かってお金を投げれば、「余分な欲や荷物」を投げ捨てることができる、という。

小高い山の上に広がる境内。信仰深い住民らの集会も開かれる

小高い山の上に広がる境内。信仰深い住民らの集会も開かれる

 健康や金運アップ、合格祈願の絵馬が並ぶ境内では、「夫婦(めおと)白蛇蛇紋石(しろへびじゃもんせき)」なる展示物が異彩を放つ。黒い石の表面に白蛇が浮かび上がったように見える石で、説明板にはこうあった。

 〈ホギホギと念じて何度も触れてください!〉

 元々は宝くじの当せん祈願などで有名な熊本県の宝来宝来(ほぎほぎ)神社が所有していたが、縁を感じた西原さんが昨年譲ってもらったという。

 「霊石」とも表記されているが、ちょうど蛇王神社を訪れていた宝来宝来神社の関係者に尋ねると、要は白黒の石をヘビの形に削った人工物。「ただの物です。ただの物ではありますが、みなさんが手を合わせてコン(魂)を込めれば…」ということらしい。私財を投じ蛇王神社を盛り上げ続ける西原さんは「これも蛇王さんのお導き」と静かにほほえんだ。

蛇王神像が鎮座する社。空中にせり出すように設置された

蛇王神像が鎮座する社。空中にせり出すように設置された

 あつい信仰心にも圧倒されつつ石段を下っていると、背後に誰かの大声がこだました。

 「ホーギホギホギ!」(幡多支社・芝野祐輔)

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