2023.04.14 14:49
行政の対応不備認めず、請求棄却 秋田、一時帰宅の女児殺害
一時帰宅中の女児殺害を巡る訴訟の判決で、秋田地裁に入る原告で父親の阿部康祐さん(中央)ら=14日午後
秋田市で2016年、児童養護施設から一時帰宅中の小学4年千葉愛実さん=当時(9)=が母親に殺害されたのは行政の対応に不備があったためとして、父親の阿部康祐さん(50)=秋田県仙北市=が児童相談所を管轄する県などに約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁(綱島公彦裁判長)は14日、請求を棄却した。
訴状などによると、阿部さんは母親と離婚し、愛実さんの親権は母親が持った。県や母親が住んでいた秋田市、同県大仙市は、母親が精神疾患を抱え養育が困難であると知りながら、愛実さんの一時帰宅の可否を適切に検討せず、養育環境の把握を怠り親権停止の措置をしなかったなどとしている。
母親は16年6月、無理心中を図り、自宅アパートで愛実さんの首を絞めて殺害、殺人罪で懲役4年の判決が確定した。