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2023.04.14 04:59

【小堺一機の楽しみかけ流し #7】ニューヨークでの出来事 奇跡のような3日間

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 米ニューヨークを歩く筆者

 毎日「楽しいことばかりやっている」と言うタレント・小堺一機さんが見聞きしたことや、日々考えていることをつづる連載第7回。


   ×   ×


 30歳の時、ブロードウェーをリポートする番組で初めて米ニューヨークを訪れ、それ以来夢中になり、30年近く毎年行っていた。とにかく街全体が刺激的で、パワーに満ちあふれていてワクワクする。ブロードウェーの舞台はもちろん、ニューヨーカーの立ち振る舞いまでがとてもステキなのだ。


 23年前に訪れた時は、不思議な偶然が重なり、特に面白い旅になった。ちょうどその頃日本で自宅を建てることが決まり、地下に映画を見るAVルームを造ろうと思っていた。部屋の壁に、ある画家のリトグラフを飾りたかった。


 その人の名はアル・ハーシュフェルド。ニューヨーク・タイムズのイラストを70年以上描いていた人で、画風がとても好きだったのだ。


 まだインターネットも使っていない頃で、彼のギャラリーがニューヨークにあるということは知っていたが、具体的な場所がどこかは見当もつかないでいた。


 ある朝、ホテルを出てぶらぶらと散歩していた時、なぜか足がふと止まった。そこがなんと彼のギャラリーだった。翌日英語が堪能な友人と再訪し、早速7点のリトグラフを購入した。


 翌日、在米の日本人プロデューサーの方との食事会があり、サーディーズという有名なレストランに行った。楽しく食事をしていると、「小堺さんは何か買い物をしましたか?」と聞かれ「アルさんの絵を買いました!」と答えた。するとその方が「あっそう、アルは僕の友人で明日会う約束をしているけれど、一緒に来ますか?」。


 「ええっ?! も、もちろんです」。次の日、アルさんの自宅を訪れると、「君が僕の日本のギャラリーオーナーかい?」とジョークを言ってくれた。うれしすぎて目まいがした。奇跡のような3日間! こんなことってあるんだなぁ…。


 今もAVルームに絵は飾ってあり(フレッド・アステアのダンスシーン)机にはアルさんと2人で撮っていただいた写真がある。(タレント)


   ×   ×


 こさかい・かずき 1956年千葉県生まれ。84~2016年「ライオンのごきげんよう」などフジテレビ系昼のトーク番組を司会。単独トークライブ「小堺一機とおしゃべりLIVE」開催(不定期。オンライン配信も)。著書に「映画はボクのおもちゃ箱」。



 「小堺一機とおしゃべりLIVE」直近では4月15日、東京「三軒茶屋GrapeFruitsMoon」で開催。ライブ配信(アーカイブ視聴可能期間)あり。詳細は所属事務所「浅井企画」公式サイトで。

(c)KYODONEWS

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