2023.04.11 14:49
生活保護の減額取り消し 全国9件目、奈良地裁
奈良地方裁判所=奈良市登大路町
国による生活保護費の基準額引き下げは、憲法が保障する生存権を侵害し、生活保護法に違反するとして、奈良県大和郡山市の受給者が国の決定に伴う市の減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、奈良地裁(寺本佳子裁判長)は11日、処分を取り消した。
同種訴訟は29都道府県で起こされ、判決は18件目。取り消しは大阪、熊本、東京、横浜、宮崎、青森、和歌山、さいたま8地裁に続き9件目。
厚生労働省は2008~11年に物価が下落したとして13~15年の3年間で基準額を平均6・5%引き下げ、計670億円を削減した。
原告側はこの措置が物価の動向や消費実態を適切に反映しておらず不当と主張していた。