2023.04.10 19:45
日銀新総裁、大規模緩和を点検へ 「副作用ある」と修正視野に
岸田首相との会談後に取材に応じる日銀の植田和男新総裁=10日午後、首相官邸
日銀の植田和男新総裁は10日、就任後初の記者会見に臨み、金利を極めて低く抑える大規模な金融緩和策の「点検や検証があってもいい」と述べた。物価上昇率を2%で安定させる目標は維持し、達成に向けて当面は大規模緩和策を続けるが、金利の決まり方がゆがむなどの「副作用はある」と認め、一部修正を視野に入れていることを明らかにした。総裁として初めて出席する27、28日の金融政策決定会合での判断が焦点となる。
10年ぶりとなる日銀の新体制が始動した。植田氏は会見に先立ち、就任後初めて岸田文雄首相と官邸で会談し「意思疎通を密にして機動的な政策運営を行っていく」ことを確認した。会談後、植田氏と首相がそれぞれ記者団に説明した。米国の銀行の経営破綻に端を発する金融不安を受け、日本経済は先行きの「不確実性が高い」との見方で一致。2%の物価目標を「早期に実現する」とし、大規模緩和策の根拠となっている政府と日銀の共同声明に関しては「直ちに見直す必要はない」との認識を共有した。