2024年 04月28日(日)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.04.10 05:00

小社会 選挙の日

SHARE

 投票率の研究本でも探そうと図書館に行くと、一冊の絵本が目にとまった。塚本やすしさん作「きょうは選挙の日。」。選挙は特別なものではなく日常の延長。投票所に寄り、レストランに出掛ける両親と男の子の日曜日を描いている。

 誰に投票したか。子どもに聞かれた父親は「秘密だよ」と笑って、「自分の、そして、きみたちの、明るい未来のために投票したよ」。至極まっとうで明快な言葉が書いてある。

 行楽日和になったきのうの日曜日。県議選の投票率はまたも5割を下回っただけでなく、過去最低を大きく更新した。存在感の低下がいわれる県議会の選挙は深刻なほど、多くの有権者の日常に入ってこなかったらしい。

 この数年は、コロナ禍で小まめな地域回りや懇談会といった議員活動が制限された。県民と県議会の距離は広がった、と告示前の本紙にある。ただ、議会が存在感を発揮するやり方はその次元ばかりではないように思える。

 全国では、改革に熱心な自治体議会で「善政競争」なる言葉が使われて久しい。首長の政策を追認するだけでなく、自らよりよい政策を考え、執行部や他の自治体と競う。少子化、経済の停滞、物価高騰と厳しい時代だ。かつては議員発議の政策条例数が全国上位と記事になった県議会。昨今はどうなのだろう。

 「明るい未来」への願いを託す存在たり得るかどうか。選ばれた県議の方々には議会の活性化を望む。

高知のニュース 小社会

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月