2023.04.09 14:48
ロシアで死刑復活論が再燃 侵攻後の対欧米関係悪化で
モスクワの墓地で行われた軍事ブロガー、フォミン氏の葬儀に出席したロシア自由民主党のスルツキー党首=8日(タス=共同)
ソ連崩壊後に死刑の執行停止(モラトリアム)を続けてきたロシアで、ウクライナ侵攻を背景に死刑復活論が再燃している。侵攻を支持していた軍事ブロガー、フォミン氏の殺害後、有力政党の党首らが相次ぎ死刑復活を要求。治安情勢の悪化と合わせ、対立を深める欧米などへの反感が強硬論を勢いづけている。
「ウラドレン・タタルスキー」のペンネームで知られたフォミン氏は今月2日、講演中にロシア第2の都市サンクトペテルブルクのカフェが爆破され死亡。爆発した胸像を手渡したロシア人の女がテロの実行犯として拘束、起訴された。
ロシア自由民主党のスルツキー党首は4日、下院本会議で「テロリストは相応に処罰されるべきだ」と述べ、モラトリアム撤回を訴えた。
侵攻に加わる民間軍事会社ワグネルの創始者プリゴジン氏も同日「敵との戦いに容赦は無用だ」と述べ死刑復活を要求。6日には左派系「公正ロシア」のミロノフ党首が憲法裁判所のゾリキン長官にモラトリアム見直しを求める書簡を送ったとタス通信が報じた。