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2023.04.09 08:00

小社会 文化の器

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 高知市の市文化プラザ「かるぽーと」が大規模改修を終え、1年ぶりに再開した。開館は2002年。できてはや20年超がたったのかと時の流れを実感し、その歩みに思いをはせる.

 ハイライトの一つに挙げたいのは、09年の「エンジン01文化戦略会議」か。各界の第一人者ら約120人が集い、知の祭典を繰り広げた。秋元康さん制作の舞台、布袋寅泰さんの講演などは関係者の語り草で、林真理子さんらとの縁は今も続く。

 この誘致のハードルは高く、かるぽーとという「器」があったから開催できた。エンジン01に限らない。県民の文化活動に施設が果たした役割は小さくあるまい。

 一方、「文化の器」には別の「顔」もある。建設費190億円、のちの市の財政難を招いた「箱物行政」の顔だ。こちらの顔は潜めつつあったが、大改修でまた浮かんできた。投じた額は約33億円。しかも、本当は115億円要るところを最小限の先行改修にとどめたという。

 文化に銭勘定の物差しをあてるのは無粋だが、そんなにかかるの?と思った人は少なくないだろう。あと20年でまだ70億円かかる算段に、あの威容を素直に見上げられない時がある。

 とはいえ、振り返れば、災害対応や生活環境の整備に追われてきた県都が、初めて文化に目を向けて造った施設でもある。奮発する時代背景もあった。大事なのは、しっかり生かすことだ。高いかどうかは使い方で決まるところもある。

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