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2023.04.04 15:35

仮設住宅に響いた戦メリ 坂本龍一さん「ピアノ続けて」

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 仮設住宅内で、菅原綾乃さんが演奏する「戦場のメリークリスマス」を聞く坂本龍一さん(手前)=2011年7月、岩手県住田町(菅原綾乃さん提供)

 「これからもピアノを続けてね」。東日本大震災の被災地支援で岩手県住田町の仮設住宅を訪れた坂本龍一さんは、目の前で映画「戦場のメリークリスマス」の音楽を演奏した当時14歳の少女に、笑顔で励ましの言葉をかけた。その後も家族ぐるみで交流を続けた菅原綾乃さん(25)は「一流の音楽家なのに同じ目線で寄り添ってくれた。気さくで温かさにあふれた人だった」と亡き坂本さんを振り返った。


 2011年3月11日、同県陸前高田市にあった綾乃さんの自宅は津波で全壊し、祖父母を亡くした。ピアノは5歳から始めたが、教室は津波で流された。


 避難生活が続く中、坂本さんが代表を務める森林保全団体の支援で整備された木造の仮設住宅に入居した。7月に坂本さんが訪れる予定と知り、父教文さん(58)が「音楽で気持ちを届けてみないか」と提案。震災後に買ってもらった電子ピアノで1カ月間、坂本さんの代表曲を練習した。


 切ない曲調ながら、震災で傷ついた心が救われる感覚―。実際に本人の前で弾くと「緊張して上出来とはいかなかった」。

(c)KYODONEWS

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