2023.04.04 14:55
小型旅客船に隔壁設置を義務化 国交省、知床事故受け浸水対策
海底から引き揚げられた観光船「KAZU 1」=2022年5月、北海道斜里町沖
国土交通省は4日、北海道・知床半島沖の観光船「KAZU 1(カズワン)」沈没事故を受けた小型旅客船の新たな安全対策を発表した。甲板全体を密閉し、高い波が打ち付けても船体下部が浸水しない構造にすることや、一部が浸水しても船全体に広がらないよう甲板下の空間を仕切る隔壁の設置を義務化する。
小型船舶安全規則を改正し、旅客運送事業に使う全ての新造船を対象に、2025年度以降の施行を目指す。
事故原因を調べている運輸安全委員会は昨年12月に経過報告を公表。船首付近のハッチから海水が流入し、甲板下の船倉や機関室を区切る隔壁の開口部から浸水が拡大したのが事故の一因だと指摘した。