2023.04.03 18:14
国交省OB、施設会社副社長辞任 空港権限ちらつかせポスト要求
「空港施設」が入る建物
元国土交通省事務次官の本田勝氏(69)が人事に介入した民間企業「空港施設」は3日、元国交省東京航空局長の山口勝弘氏(63)が副社長を辞任したと発表した。副社長就任の直前、同社の事業に対する省の権限をちらつかせ、省の意向としてポストを要求しており、責任を取ったとみられる。
空港施設によると、山口氏は同社取締役だった2021年5月、国交省出身の社長退任に伴う役員人事会議で、代表権のある副社長ポストを要求。同社が羽田空港で国有地を借りていることから「(国交省)航空局側から見れば協力の証しだ」などと発言した。「国交省」に言及しながら「バックにいる人たちがどう思っているか」とも述べた。山口氏は翌月、副社長に就いた。
山口氏は同社に対し、一連の発言を認め「威圧的な言動をしたつもりはないが、受け取る側がそう感じたなら申し訳ない」と釈明。3日「一身上の都合」を理由に辞表を提出した。
空港施設の人事を巡っては、本田氏が同社首脳に、山口氏を副社長から社長に昇格させるよう求めたことが判明した。