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2023.03.30 08:00

小社会 山国から

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 転勤族の一家いわく「高知はいい所だけど一つだけ嫌」という。「花粉の飛散が多い気がする」。今春は子供の受験もあって苦労したそうだ。

 専門家によると花粉減らしに有効なのは間伐ではなく、一帯を切り払う皆伐。しかし原木価格の低迷で切り出せる山主は少なく、年500~800ヘクタール、県有・私有林全体の数百分の一の皆伐しか進まない。この先を聞いてまた鼻白む。皆伐のうち3割程度は再び植林する「再造林」がされてきたが、ほぼ漏れなく杉ヒノキが植えられてきた。無花粉杉の実績はゼロ。少花粉杉も育苗が遅れて普及していない。

 高知県の杉ヒノキ林は伐期を迎え、県は再造林へ本腰を入れる。しかしこれからも、植える木は杉ヒノキだろうという。成長が早く、短いサイクルで材木にできるからだ。

 では再造林せずに放っておけばどうなるか。県や林業関係者に聞いてみた。「シカの食害を受けることもあるが、たいてい広葉樹が生えてくる」。花粉症や山の保全を思えば、そっちの方がずっといい。

 この国と地方は戦後、拡大造林政策と称し、広葉樹の山を丸裸にして杉ヒノキを植えた。高知県はその筆頭で人工林率全国2位。値崩れする材木、飛来する花粉は、その歩んできた道の大失敗を告げている。

 杉ヒノキ一辺倒の経済施策を見直し、広葉樹林の再生への道筋を考えてはどうか。統一地方選シーズン。名うての山国から、山の政策論も発してほしい。


3月30日のこよみ。
旧暦の閏2月9日に当たります。ひのと ゐ 三碧 仏滅。
日の出は5時57分、日の入りは18時24分。
月の出は11時51分、月の入りは2時07分、月齢は8.4です。
潮は小潮で、満潮は高知港標準で2時47分、潮位118センチと、10時06分、潮位118センチです。
干潮は6時07分、潮位116センチと、19時29分、潮位53センチです。

3月31日のこよみ。
旧暦の閏2月10日に当たります。つちのえ ね 四緑 大安。
日の出は5時56分、日の入りは18時25分。
月の出は12時48分、月の入りは2時51分、月齢は9.4です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で3時52分、潮位127センチと、13時47分、潮位115センチです。
干潮は9時42分、潮位103センチと、20時56分、潮位47センチです。

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