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2023.03.25 08:00

小社会 命について

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 高知新聞の記者としてかつて机を並べた元同僚が昨年2月、東京の空の下で逝った。闘病の末、二人で暮らした夫に見守られ、50代半ば過ぎの生涯を閉じた。

 もう30年も前、女性記者も少ない時代に快活に仕事に打ち込んでいた。地域の話題を追いかけ、その視線を常に弱い立場の人に向けていた。知的障害者が通う土佐市の福祉施設をリポートした連載記事は今も色あせない。

 日々の取材の合間に通い詰め、施設の日常を細やかに記録。通所者と触れ合いながらも、感傷に陥らず、むしろ軽やかな筆致で共生社会の課題を問い掛けた。その後間もなくフリーライターへの道を選び、高知を離れた。

 亡くなる前年、コロナ禍の中で余命を告げられた。近くの桜の花の下で夫と遺影写真を撮った。激しい痛みが続き、緩和ケア病棟に入った。面会は限られた。夫はいちるの望みを胸に、会えない時間に耐えた。高知から駆けつけた母親は「きっと治る」と信じ、病院の周りの道を巡礼者のように一日中歩き続けた。遺影は穏やかにほほ笑んでいた。

 コロナ禍、かの地の戦火…。多くの犠牲者の一人一人にかけがえのない命の形、家族の絆があるのだと元同僚の死に改めて教えられる。

 彼女が残した連載は「生命(いのち)の基金」の創設につながった本紙キャンペーン「生命は守られているか」の中で書かれた。35年目を数える基金は今も県民からの浄財が途絶えない。感謝申し上げたい。


3月25日のこよみ。
旧暦の閏2月4日に当たります。みずのえ うま 七赤 大安。
日の出は6時04分、日の入りは18時21分。
月の出は8時03分、月の入りは22時14分、月齢は3.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時51分、潮位48センチと、14時18分、潮位9センチです。
満潮は7時47分、潮位172センチと、20時42分、潮位157センチです。

3月26日のこよみ。
旧暦の閏2月5日に当たります。みずのと ひつじ 八白 赤口。
日の出は6時02分、日の入りは18時21分。
月の出は8時39分、月の入りは23時18分、月齢は4.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時18分、潮位66センチと、14時55分、潮位16センチです。
満潮は8時09分、潮位165センチと、21時26分、潮位143センチです。

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