2023.03.23 08:38
侍ジャパン世界一!酒場・職場・屋外でWBC観戦 高知県内にも感動広がる
通りに面したモニターで日本代表の試合を楽しむ人たち(高知市追手筋1丁目)
試合開始予定の午前8時に〝臨時開店〟していたのは、高知市追手筋1丁目の「立呑屋(たちのみや) 三角」。6、7人が集まり、外からも見える大画面で声援を送った。前日の準決勝も同様に観戦して出会い、「また明日」と約束した面々という。会社員の男性(34)は観戦のために会社を休んだそうで「みんなでわいわい応援できてうれしい。今日は国民の休日でしょ」。
試合は両投手陣が好投する緊迫の展開。出張中のサラリーマンが「おっ、放送してる」と足を止め、タクシーを運転する男性が速度を緩めて「勝ってる?」。園児の手を引く女性保育士さんも「頑張れ~」と声を掛けてきた。店を経営する梶原あいみさん(51)の長男で、中学野球部所属の一晟(いっせい)さん(13)は「すごい選手がそろった試合。僕も甲子園やプロ野球を目指したい」と目を輝かせた。
4回裏、日本が1点を追加しペッパーミルで祝う親子ら(高知市追手筋2丁目)
午前10時にひろめ市場が開店すると、試合を放映するテレビの前のテーブルはほぼ満席に。音声はスマホ、映像はテレビの〝二刀流〟で観戦していた会社員男性(35)は「仕事が手に付かない。昼休みを早めた」とノンアルコールビールをぐびぐび。「八回にダルビッシュ、九回に大谷が登板して勝利、なんて展開なら最高すぎるなあ~」
1点リードの九回表。大谷翔平投手が最終打者を打ち取ると、場内は「よっしゃー!」の大歓声。目に涙を浮かべた男性(75)は「大谷選手は異次元。こんなスーパースターは二度と見られん」と絶賛し、本日3杯目の祝杯を挙げた。
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日本の優勝に手をたたいて喜ぶ従業員たち(高知市針木東町のミタニ建設工業)
会議室のスクリーンにネット中継を流し、社員十数人がメガホンや拍手を打ち鳴らし「ホームランや! 村神様!」「大谷君、頼んだ!」。元高知ファイティングドッグス投手で同社社員の山中智貴さん(34)は「栗山監督の期待に応えた大谷選手は、技術もメンタルの強さもすごい。世界一の瞬間を見られてよかった」と声を弾ませた。
高知で鍛えた侍ジャパンメンバーを見守った人も。長年、少年野球チームの監督を務め、阪神タイガースがキャンプを張る安芸市で選手らと交流を重ねてきた山本諭さん(71)は、21日の準決勝に出場した阪神の湯浅京己(あつき)投手、中野拓夢選手のプレーに「接戦の緊張感ある場面で、ようやってくれえた」と称賛。「安芸で鍛えた経験のある選手が、世界の舞台で堂々とプレーして優勝に貢献したのは誇らしい。彼らにとっても、地元の子どもたちにとっても大きな宝になった」と感服していた。(本紙取材班)