2023.03.11 16:41
ロシアが侵攻の朝、誕生の娘へ 母「明るい未来信じる」
自宅の地下シェルターで、姉のオレクサンドラさんに抱かれるダリナ・オスタペンコちゃん=2022年2月26日、キーウ近郊ブロワリ(オクサナさん提供・共同)
ロシアがウクライナ侵攻を始めた昨年2月24日の朝、首都キーウ(キエフ)の病院で産声を上げたダリナ・オスタペンコちゃん(1)は、両親に守られながら、病院シェルター、自宅地下室、西部の親族宅と避難続きの1年を乗り越えた。「娘の明るい未来を信じている」。戦勝を願う母は、いつかわが子に侵攻の事実をしっかり伝えるつもりだ。
侵攻開始の日、臨月のオクサナさん(45)はキーウの病院にいた。腎臓の痛みで点滴を受けていた時、ドーンというミサイルの爆発音が響いた。看護師に状況を尋ねても「心配しないで」とはぐらかされ、スマートフォンで侵攻を伝えるニュースを見た。
予定日は3月3日だったが、出産の前倒しを決めていた。市内で黒煙が上がる中、午前10時25分、帝王切開で次女のダリナちゃんを産んだ。
オクサナさんは、親戚がソ連時代にロシア・シベリアに強制移住させられた経験を持ち、母もシベリア生まれ。「娘には何があっても生き続けてほしい。ロシアは永遠の敵。この事実をちゃんと教えていく」と誓った。(ブロワリ共同)