2023.03.03 10:12
英MI5長官、異例の謝罪 17年自爆テロ、防げた可能性
2日、英マンチェスターで、爆弾テロ犠牲者の碑に献花する関係者(ゲッティ=共同)
【ロンドン共同】英中部マンチェスターのコンサート会場で2017年、22人が死亡した自爆テロを巡り、英政府が設置した独立調査委員会は2日、情報局保安部(MI5)がテロを防ぐ機会を逃していた可能性があるとの見解を示した。MI5のマッカラム長官は「深くおわびする」と異例の謝罪声明を公表した。
テロは、米人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサート終了直後に発生。犠牲者には8歳の女児も含まれていた。過激派組織「イスラム国」(IS)が声明を出したが、事件との具体的な関連は分かっていない。
BBC放送によると、調査委は、英国内の情報収集活動に当たるMI5が事件前、自爆犯の男に関する情報をつかんでいたが、テロと関係はないと判断していたと指摘。情報が生かされていれば、事前に爆発物を見つけるなどして、テロを防げた可能性があったとした。
マッカラム氏は声明で、テロ情報を事前に集めるのは「難しいことだ」としながらも、「わずかなチャンス」をつかんでいれば惨劇を回避できた可能性があったと述懐した。